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金色羅皇(こんじきらおう)はどんなスイカ?旬の時期や栽培する方法も解説

金色羅皇(こんじきらおう)はどんなスイカ?旬の時期や栽培する方法も解説

金色羅皇は、鮮やかな黄金色の果皮と甘みたっぷりの果肉が特徴の高級スイカです。その美しい見た目と濃厚な味わいから、贈答用としても人気があります。本記事では、金色羅皇の特徴や旬の時期、家庭での栽培方法について、分かりやすくご紹介します。

金色羅皇の特徴

珍しい黄色いスイカ

金色羅皇は、「黄色スイカ=あまり甘くない」という従来のイメージを覆した新品種です。奈良県のナント種苗株式会社が約8年かけて開発し、2021年に全国デビューしました。

果肉は濃い黄色から橙色に近い色合いで、糖度は15度前後と非常に高く、スイカの中でもトップクラスの甘さを誇ります。ただ甘いだけでなく、さっぱりとした後味とシャリっとした食感も魅力です。

中身は黄金色

金色羅皇の果皮は濃い緑に黒の縦縞が入っており、見た目は一般的なスイカとよく似ています。重さは8〜9kgと大玉で、やや縦長の球形をしています。

しかし、カットしてみると中から現れるのは、鮮やかな黄金色の果肉。外側の皮の部分に赤みを帯びたゴールデンベルトが現れることがあり、完熟のサインとされています。

高糖度でとにかく甘い

金色羅皇の最大の魅力は、やはりその糖度の高さです。一般的にスイカは糖度12度を超えれば甘いとされますが、金色羅皇は15度を超えるものが多くあります。

糖度が高いにも関わらず、味にしつこさはなく、爽やかな風味としっかりとした果肉の食感がバランス良く調和しています。種が少なく食べやすいのも、うれしいポイントです。

金色羅皇の旬の時期


金色羅皇の旬は、一般的に5月〜8月とされています。これは栽培地域や栽培方法によって差がありますが、熊本県などの温暖な地域では、5月から収穫がスタート。その後、6月から7月には関東・関西圏、8月には長野県や東北地方といった涼しい地域へと、旬がリレーのように移っていきます。

さらに一部の地域では、ハウスを活用した栽培により、10月ごろまで収穫が可能になっており、年によっては秋に楽しめる金色羅皇も登場しています。

おいしい金色羅皇の選び方

皮にツヤと張りがあるかチェック

まず注目したいのが果皮の状態です。表面にツヤがあり、黒い縞模様がしっかり濃く出ているものは、しっかり熟して甘みがのっている証拠です。また、触ったときに張りを感じるかどうかも重要。ゴツゴツとした凹凸感があるのも、おいしさのサインとされています。

お尻の部分を見てみよう

スイカのお尻の部分にも注目してみてください。お尻の部分が広がっていたり、丸く大きいものは完熟して甘みが強い傾向にあります。逆に、固くて小さいものはまだ熟していない可能性もあるので要注意。

持ち上げてみて重みを感じるもの

同じ大きさなら、ずっしりと重いスイカの方が、果汁をたっぷり含んでいることが多く、ジューシーさや甘みの面でも期待できます。糖度がしっかりとのった金色羅皇は、水分と糖分のバランスが良く、持ち比べてすぐに違いが分かることもありますよ。

カット済みならゴールデンベルトがあるものを選ぶ

店頭でカットされた金色羅皇を購入する場合は、果肉の色に注目を。全体が濃い黄色〜黄橙色に染まっていて、うっすらと赤みが帯びているゴールデンベルトがあるものは、完熟していて甘さがピークに達している証拠です。

金色羅皇の栽培方法

種まきと育苗の準備

金色羅皇の種は、4月中旬〜下旬ごろの気温が安定して25℃を超えるころがまきどきです。ポリポットに育苗用の培養土を入れ、1ポットに1粒ずつ種をまきます。発芽適温は25~30℃なので、発芽までは室内管理や加温マットなどで温度を確保しましょう。発芽までは土が乾かないよう、軽く霧吹きで湿らせる程度の水やりを続けます。種まきから1週間前後で発芽し、本葉が2~3枚になるまで育苗します。

畑の準備と定植

定植は5月中旬ごろが目安です。畑には、定植の2週間前までに堆肥や元肥をしっかりとすき込み、耕しておきます。金色羅皇は1株当たり広いスペースを必要とするので、最低でも1m×3m(約1坪)を確保しましょう。

定植時は、根鉢を崩さないようにそっとポットから出し、浅めに植えます。植えた後は、風対策として不織布のミニトンネルをかけると、活着の促進にもつながります。

整枝と着果のコツ

親ヅルの本葉が6~7枚ほどになったら、先端を摘心して子ヅルを発生させます。整枝を行う場合は、子ヅルの中から元気な3本を選んで伸ばし、それ以外は摘み取ります。栽培スペースを確保できるなら、放任栽培でも問題ありませんが、ツルが絡んで過繁茂になると光が届かず、着果不良の原因にもなるため注意が必要です。

実を大きく育てたい場合、交配のタイミングも重要です。咲きたての雄花を使って、雌花にしっかり花粉を付けてあげましょう。雌花の節位やツルの種類には特にこだわらなくても、健康なツルであれば着果可能です。

着果後の管理と追肥

交配から約10日で、実がピンポン玉ほどの大きさに成長します。果実は最大で1株当たり2~3個程度に抑えると、甘さが集中します。収穫する実以外は早めに摘果して、養分を集中させましょう。

果実の肥大が始まったら、追肥として液体肥料や化成肥料を施します。窒素過多になるとツルばかりが伸びて実に養分が回らなくなるため、リン酸とカリウム中心の肥料が効果的です。

果実のケアと収穫タイミング

果実が大きくなってきたら、地面との接地部分にフルーツマットや発泡スチロールなどを敷き、変色や腐敗を防ぎます。また、真夏の日差しが強い時期には、果実に新聞紙や布をかけて日焼け防止をしておくと安心です。

金色羅皇の収穫は、開花から約50日が目安です。果梗の部分がくびれてきたり、叩いたときに鈍いポンポン音が返ってきたら収穫適期。ハサミで果梗(かこう)を切って丁寧に収穫します。収穫後は常温で2〜3日置いて追熟させてから冷やすと、さらに甘みが増します。

まとめ

金色羅皇は見た目のインパクトだけでなく、味も抜群のスイカです。市場ではなかなか出回らない品種ですが、家庭菜園でも育てることが可能です。希少な金色羅皇を自分で育てて味わいたい人は、まずは種の入手から始めてみましょう。この機会に、新たなスイカ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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